生活保護世帯の家賃・給食費 滞納防止 天引き促す

朝日新聞 2007年10月28日 朝刊一面

 生活保護費として支給された学校給食費公営住宅家賃、介護保険料の一部が納付されていない実態が会計検査院の調べでわかった。05、06年度の2年間分について、全国の約1割の福祉事務所でサンプル調査した結果、給食費の未納者は3割を超え、家賃や保険料と合わせると計5億5000万円になる。検査院の指摘を受けた厚生労働省都道府県などに対し、福祉事務所による代理納付制度の活用などを求めた。しかし、代理納付は事実上の差し押さえになるため、100万を超える生活保護費受給世帯への影響は大きく、導入には慎重な意見もある。


代理納付=天引きは、2006年4月から事務所の裁量で実施できるようなり、すでに東京、大阪、兵庫などで導入されているようです。

 福祉事務所でケースワーカーを務めた経験がある杉村宏・法政大教授(公的扶助)は「払うべきものを払わないのが許されないのは当然だが、生活保護費はあくまで最低生活費で、天引きされたら最低の生活も営めない人が出てくるだろう。払えないのはなぜかを福祉事務所が把握するのが先決で、安易に代理納付をするべきではない」と指摘する。