グッドウィル:違法行為で事業停止命令 厚労省東京労働局

毎日新聞 2008年1月11日 20時38分 (最終更新時間 1月11日 20時43分)
http://mainichi.jp/photo/news/20080112k0000m040093000c.html

グッドウィルへの事業停止命令について会見で説明する東京労働局の浅野浩美・需給調整事業部長(右)=東京都千代田区で2008年1月11日、佐藤賢二郎撮影 日雇い派遣大手のグッドウィル(東京都港区)が港湾運送業務への労働者派遣や二重派遣などの違法行為を繰り返していた問題で、厚生労働省東京労働局は11日、労働者派遣法に基づく事業停止命令と事業改善命令を行った。708支店のうち悪質だった67支店は4カ月、その他の641支店は2カ月、18日から事業停止する。同社は05年6月にも建設現場への違法派遣で事業改善命令を受けたが、今回は広範囲に違法行為があったことから重い処分となった。

 また、同社から派遣された労働者を二重派遣したとして▽佐川グローバルロジスティクス(品川区)▽グローバルサポート(千葉県松戸市)、関連でヴィプランニング(京都市)に事業改善命令を出した。さらに、派遣業の許可なしに労働者を別の会社の倉庫業務に送り込んだとして、東和リース(東京都港区)を職業安定法(労働者供給事業の禁止)違反の疑いで警視庁に告発した。

 東京労働局によると、確認された違法行為は(1)建設業務、港湾運送業務への違法派遣(2)派遣した労働者が派遣先から別の現場に派遣される二重派遣の助長(3)労働者の安全管理などを行う派遣元責任者の不在−−など。

 浜松市浜松北支店は04〜07年、延べ1万1404人を倉庫業務で二重派遣されていることを知りながら派遣を続けた。東京都新宿区のEV新宿支店は04〜07年、港湾倉庫での作業と知りながら労働者を派遣していた。派遣元責任者を適正に選んでいなかったり、不在だった支店も100カ所以上あった。

 事業停止期間は新たな派遣契約の締結や、過去に契約した派遣先企業への新規派遣などは禁止される。既に派遣を開始している事業は継続できる。グッドウィルが1日に派遣する労働者は約3万4000人に上る。【東海林智、佐藤賢二郎】