定額給付金 DV被害者支援 特別支給の区広がる(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20090430/CK2009043002000053.html

東京新聞東京版2009年4月30日

 定額給付金を受け取れないDV(ドメスティックバイオレンス、夫の暴力)被害者を救済するため二十三区では、被害者あてに独自に支給する区が相次いでいる。最初に表明した杉並区など、これまでに九区が支給を決めた。ほかにも前向きに検討する区があり、さらに増えそうだ。
 給付金は、世帯主が家族分をまとめて申請し、一括して受け取る。このため、夫から逃れて別居しているDV被害者の妻や子どもの場合、経済的に苦しくても個別に受け取ることはできない。今回、独自に支給を決めたのは杉並区のほか、板橋、世田谷、千代田、荒川、中野、港、品川、北区。ほとんどの区は、給付金と同額を特別支援金や臨時生活給付金として区費から支出する。
 先行する杉並区には二十七日までに五件の申請があり、相談も相次いでいる。中野区は、DV被害で相談を受けている二十数人に個別に申請書を渡し、支給へ向けた作業を進めている。荒川区は「生活基盤が不安定で真に援助が必要なDV被害者の一助に」と支給を決めた。千代田、品川区は全国的に独自支給の動きが広がる中、「各区の動きを見て判断した」という。前向きなのは新宿区。国の制度で支給できない人への対応を考えるチームを設け、DV被害者には支給する方向で検討している。その一方で、渋谷区は「総務省の見解に沿う」と独自支給は予定していない。