5/30 高失業時代における生活保護のあり方を考える(兵庫)

2010年度全国公的扶助研究会総会記念・公的扶助シンポジウム


日時:2010年5月30日(日)13:30−17:00
場所:神戸女子大学 ポートアイランドキャンパスD館501教室
 http://www.yg.kobe-wu.ac.jp/wu/access/index.html#pi
主催:全国公的扶助研究会
参加費(資料代を含む):800円
(事前申し込みの必要はありません。)

シンポジウムの趣旨と内容

 ひろがる貧困の中で、生活保護利用世帯は急増しています。中でも、大企業等による労働者の首切りと雇用保険制度などの不備が原因で、失業者の利用が増えています。そして、稼働能力の活用が生活保護を利用するための要件となっているため、ケースワーカーの就労支援にも注目が集まっています。しかし、いくら意欲があっても働く場がなければ、就労することはできません。また、せっかく就労しても、雇用が不安定だったり、賃金が低かったりしては生活が安定せず再度保護を利用せざるを得なくなります。
 一方、生活保護利用者の急増にケースワーカーの配置が追いつかないため、ケースワーカーは事務処理に忙殺され丁寧な就労支援が困難になっています。このような中で、働く意欲を喪失するのは、保護利用者だけでなく、生活保護ケースワーカーもそうなのかもしれません。
 皆さんとともに、ひろがる貧困の中で、セィフティーネットの再構築や生活保護のあり方、とりわけ就労支援について考えていきます。


◎ コーディネーター 吉永 純さん<花園大学社会福祉学部教員>
生活保護政策の動向を解説するとともに、各シンポジストの問題提起を整理し、討論を進めていきます。

テーマ、シンポジストと問題提起の概要

生活保護における稼働能力活用の意義

木下 秀雄さん<大阪市立大学法学部教員>
 他のセィフティーネットの機能が十分ではないため、多くの失業者が生活保護を利用するようになりました。しかし、現在の雇用状況では多くの人は就労自立が困難となっています。こうした状況にもかかわらず、稼働能力不活用により不利益処分を受けることがあります。高失業時代における稼働能力活用要件のあり方について語っていただきます。

こうすればできる稼働能力活用・就労支援〜自立支援プログラムと職場づくり〜

山崎 徳子さん<京都府山城北保健所生活保護ワーカー>
 山城北保健所の自立支援プログラムによって多くの保護利用者が自立しています。無理な押しつけではなく、ワーカーの温かい組織的な支援によって自らが働こうという意欲を持って暮らしを変えていく姿には全国的に高い評価が得られています。

大阪市はどうなってる?〜保護利用者の増大と職場の実状、就労支援〜

谷口 伊三美さん<大阪市役所・元生活保護査察指導員> 
 全国一多い保護利用世帯、高い保護率の大阪市。今もなお保護世帯は急増していますし、たくさんのケースワーカーが新しく配置されています。しかし、それでもなお「焼け石に水」の状態です。大阪市は、このような事態に対して、第2のセィフティネットの拡充、貧困ビジネス対策、現在地保護の徹底、国庫負担10割などを国に要望するとともに、市長は生活保護の3〜5年限りの有期化を提言しています。 その背景と問題点を探っていきます。

連絡先

全国公的扶助研究会事務局
千葉県八千代市大和田921-2 
FAX 047-480-7702  e-mail zennkoku_koufukenn@yahoo.co.jp