憲法記念日:現憲法の役割を再確認 円山公園で集会、1700人参加 /京都

毎日新聞 2008年5月4日 地方版
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20080504ddlk26040301000c.html

◇「貧困と戦争は結びつく」/「力合わせて9条守ろう」−−2人講演
 憲法記念日の3日、憲法と暮らしのかかわりや戦争放棄を掲げる「9条」問題などを考える集会が円山公園の野外音楽堂であった。「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠さんと立命館大国際平和ミュージアム名誉館長の安斎育郎さんが講演。市民団体などから約1700人が参加し、現行憲法生存権や平和維持の役割などを再確認していた。

 貧困問題に取り組む湯浅さんは「(生存権などを規定する)25条と9条を併せて考えよう」との理論を展開。米国でイラク戦争の帰還兵から「兵の8割は経済的理由で志願した」と耳にした話を紹介し、「日本も米国に近づいている。貧困が生み出される社会は、戦争への免疫を落とす」と貧困と戦争の結びつきを強調。「若い人の心には『何を言っても受け止めてくれない』という社会不信がある。貧困と戦争をセットに考えて、問題意識を持つ人を広げていくことが必要」と訴えた。

 9条を守る活動をしている安斎さんは、「現在『9条の会』は全国に約7000もあり、憲法を守り発展させる力になっている。9条がなくならないよう力を合わせましょう」などと呼びかけた。

 その後、参加者らは横断幕を掲げるなどしながら、京都市役所(中京区)までをデモ行進した。【珍田礼一郎】