生活保護受給を支援 県内の司法書士が無料相談の組織設立(中日新聞)

中日新聞 2007年12月7日

 生活保護が必要な人たちを支援するボランティア組織「生活保護支援ネットワーク静岡」が6日、発足した。静岡県内の司法書士らが中心となり、生活保護の申請方法や受給支援について、無料相談に応じる。

 同様の組織は4月以降、首都圏、九州、近畿、東北と地域ごとに設立されているが、都道府県単位では初めてという。

 このネットでは生活保護に関する質問を受け付け、必要があれば最寄りの司法書士を紹介するなどして解決策を探る。また生活保護行政の問題点を指摘し、改善に向けた取り組みも進める。

 ネットによると、人口に対して保護を受けている人の割合は全国の1・18%に対し、県内では0・45%と少ない。

 しかし、ネットは自治体が社会保障費を抑えるため、受給申請を受け付けないケースも多いと指摘。資格があっても実際に受給しているのは一握りで、制度の仕組みを理解できていない人も多いという。

 羽根田龍彦事務局長(32)は「多重債務や雇用など、連動する問題も手厚く支援していきたい」と話している。

 生活保護をめぐっては7月、北九州市で支給を打ち切られた男性が餓死。浜松市では11月、市役所玄関前でホームレスの女性(69)が倒れ、その後に死亡。女性には受給資格があったが、実際には受給していなかった。

 ネットは9日に会員の司法書士15人が無料で電話相談に応じる「生活保護110番」=電054(289)3951=を静岡市駿河区稲川の県司法書士会館に開設。面談での相談も受け付ける。

 問い合わせはネット=電054(636)8611。