ワーキングプアなど貧困解消に連合本腰 反貧困フェスタ(朝日新聞)

朝日新聞 2008.3.29(写真あり)
http://www.asahi.com/job/news/TKY200803290266.html

 ワーキングプア(働く貧困層)や非正規雇用の増加など貧困問題の実態を伝えようと、支援グループや労働組合計90団体が幅広く結集したイベント「反貧困フェスタ2008」が29日、東京都内の中学校を会場に開かれた。こういった大規模な反貧困集会では初めて連合本部が参加し、格差是正への意気込みを示した一方で、貧困問題への社会の理解不足を懸念する声も上がった。


 「『正社員・公務員クラブ』の親玉が出てと言われるかもしれませんが」。シンポジウムに出席した高木剛・連合会長は、こう切り出した。


 連合は非正規労働センターを昨年10月に立ち上げ、低所得者を支援するNPO法人や弁護士らとの協力態勢作りに乗り出している。高木会長は、連合が格 差拡大を見て見ぬふりしたとの批判に触れ、「貧困問題の根っこには非正社員の急増がある。格差是正に真剣に取り組んでいきたい」と語った。


 フェスタには、貧困問題に関心を持つ人や当事者ら約1600人が参加。映画上映や音楽など数十のイベントが繰り広げられ、貧困の様々な形での広がりを示した。


 昨年清算が決まった英会話学校大手NOVAの外国人講師らは、「英語で反貧困」と題した労働用語の英語講座を開催。「外国人労働者も貧困問題に直面していることを知ってほしい」と訴えた。


 貧困の実態を伝えることに貢献した「貧困ジャーナリズム大賞」も発表され、朝日新聞の清川卓史記者と東洋経済新報社風間直樹記者らが受賞した。賞創設の背景には、格差問題に関する報道が大幅に増えたが「理解不足で弱者の自己責任ばかりを問う報道も横行している」(宇都宮健児・反貧困ネット代表)との危機感があるという。