世直しイッキ大集会報告:開会宣言

ごあいさつ

反貧困ネットワーク代表 宇都宮健児
 日本社会は、今大きな岐路に立っています。これ以上の貧困の拡大を許すのか、それともここで貧困の拡大を食い止め、人間らしく働き、人間らしく生活できる社会を確立することができるのかが問われています。
 貧困は、貧困当事者だけの問題ではありません。貧困が広がる社会は、誰もが人間らしく安心して暮らせる社会とはいえません。貧困のない社会はすべての人々にとって生きやすい社会です。
 貧困問題を解決するには、消費者運動、労働運動、社会保障運動の垣根を越えた連携・連帯がこれまで以上に重要となってきています。また、イデオロギーや政治的立場を超えた連携・連帯が特に重要となってきています。
 3か月間にわたる反貧困全国キャラバンは、全国各地に反貧困のネットワークの種をまきました。反貧困のネットワークは、今、日本中に確実に広がりつつあります。
 反貧困運動は、平成の世直し運動です。貧困が広がる社会を変えるため、今こそ一人一人が声を上げましょう! 一人一人が立ち上がりましょう! 一人一人が垣根を越えてつながりましょう! そして、力を合わせて「貧困」という大きな山を動かしましょう!



オープニングでの、宇都宮代表、雨宮副代表によるむしろ旗作り。宇都宮さんは「反貧困」、雨宮さんは「よこせ」と筆入れしました。

集会に参加して

反貧困ネットワーク副代表 雨宮処凛
 この日の集会には、様々な事情を抱える人たちが参加してくれた。
最近、日雇い派遣の仕事にもあぶれ、ガスも携帯も止まり、食事もロクに食べていないという30代の男性は、労働分科会で自らの苦境を緊張しながら話してくれた。集会にもデモにも初めて参加したという彼は、後日、私にメールをくれた。何日もロクに食べていなくてお腹がすいていたので、無料で配られた食事が死ぬほど美味しかったこと。初対面の人々のあたたかさに、何度も涙がにじんだこと。苦しいのは自分だけじゃないと気づき、この状況を変えるべく、立ち上がろうと思ったこと。
あの日の会場には、そんな思いの人がたくさんいたはずだ。まずは、そんな人達と出会えて場を共有できたことを、喜びたい。